「かかりつけ医」ってなんだろう

 以前は、多くの家庭に家族全員がお世話になっているお医者さんがいて、何かあったら、先生が黒い大きなかばんを持って、すぐに往診に駆けつけてくれる、という場面がよくありました。
しかし、最近は、核家族化が進んで、地域との結びつきが弱くなってきたこと、代々地元で開業していて地域やそこに住む人々をよく知っている、というような医師が減り、逆に出身地や住まいとは違う場所に開業する医師が増えていること、また、大学に残って開業しない医師も増えていること、などから、患者と医師との関係は希薄になってきました。

  なにかの病気になったとき、近くのよい診療所を知らない、何科に行けばよいかわからない、ということで、とにかく大きな総合病院へ、という方は多くなっているのではないでしょうか?
このような状況のなか、あらためて、かかりつけ医の重要性がいわれるようになっています。

かかりつけ医とは、患者さんがよく受診する、患者さんの病歴や生活習慣をよく知る医師で、通常なにかの病気のときは、最初に受診する医師のことです。
かかりつけ医は、患者さんの病状が自分で治せるものであれば、自分で治しますし、自分の専門外の病気や、高度な医療設備が必要な治療であれば、それぞれ専門医や大規模病院などを紹介します。
  かかりつけ医を持つことによって、総合病院のように何時間も待たされずに、すぐに診てもらえるでしょうし、かかりつけ医は患者さんのことをよく知っているので、総合的で的確な診断をすることができます。そしてなによりも、なにかあったときに、いつでも診てもらえる信頼できる医師がいる、という安心感は大きなものです。
多くの自治体や医師会では、かかりつけ医機能推進の事業を行っています。これは、住民への福祉の充実だけでなく、初診をかかりつけ医が担当することで、大学病院など大規模病院は本来なすべき、高度な先端医療の実践をより効率よく行える、かかりつけ医の診断で的確な判断がなされることで、健康保険の医療費抑制にもつながる、といった医療行政の面でのメリットも考慮してのことでしょう。

小さな診療所だと不安を覚える方もいらっしゃるでしょうが、信頼できる「かかりつけ医」を見つけることができれば、病気になるたびに悩むことなく、一生、安心に包まれた暮らしが送れることでしょう。
さて、歯科についても、同じような趣旨で「かかりつけ歯科医」が提唱されています。次回コラムで詳しく見て行きたいと思います。