歯科の分野からみた食育

  食育についての3回目は、歯科の分野からみた食育についてです。食育の目的のひとつが「おいしく楽しく食事をすること」ですので、そのために歯や口の健康が必要であることはいうまでもありません。

歯科からみた食育
 「健康な歯をつくる」ということを考えたときに、お子さんのために、ご自身のために、行ったほうがいいことは、たくさんあります。
まずは妊娠期です。妊娠中の栄養摂取や健康状態、口腔内の状況は、胎児の発育に大きく影響します。歯や口腔は母体にいるうちに形成されていくので、規則正しい生活、カルシウムや鉄分を十分にとったバランスの取れた食事、お口の衛生や健康管理、などに気をつけます。
乳幼児期は、食べ物を口に取り込む、噛む、のみ込む、など食べることを学び会得していく時期です。口の動かし方の変化や歯の生え方などをよく観察して、それに応じて母乳から離乳食、通常の食事へと段階的に進めてください。
あわせて、生後半年くらいから歯が生え始めるので、歯磨きをはじめます。はじめは保護者が磨いてあげます。
また、周囲の人間からむし歯菌が感染しないよう、口移し、噛み与え、スプーンやフォークの共有などは止めましょう。保護者の方の口腔内も清潔に保ち感染リスクを低くし、お子さんの手本となりましょう。
この時期から「かかりつけ医」を決めて、定期健診やフッ素塗布などもはじめると効果的です。年齢や歯の成長段階に応じたブラッシング法の指導もしてもらえますし、異常があれば早めに治療を受けることもできます。

成長につれて歯磨きも自分で行うようにします。保護者は幼児期なら 仕上げ磨き、小学生低学年では磨き残しチェックをして補助します。多くの子供は歯磨きがあまり好きではありません。歯磨きの時間を楽しくする工夫や、動機付け(歯磨き材の利用、虫歯や歯周病について知る)をして、歯磨きを習慣化することが重要です。
この時期の食生活では、よく噛む習慣をつけるために、やわらかいものばかりでなく、噛む力を発達させる食材・・・木の実や煮干しなどの硬いものや、玄米、野菜など食物繊維が多いもの、きのこ類・・・などもバランスよくとるようにします。よく噛む習慣は、歯周病やむし歯を防ぎ、歯並びをよくするなどのほかに、ダイエットや脳の活性化にも効果があります。

幼い頃から、食育を通して歯の健康に関心を持つことが、大人になっても歯とからだを大切にする意識となり、その意識が健康を保ち、おいしく楽しい生活を送ることにつながります。