歯ブラシの交換時期について

 むし歯や歯周病の予防など、歯の健康維持に欠かせないのがブラッシングです。そしてブラッシングは歯を美しく清潔に保つためにも重要です。そんなブラッシングの必須アイテムである歯ブラシですが、交換のタイミングがつかめず、ついつい長期間使ってしまう方も多いのではないでしょうか。今回は歯ブラシの交換の目安について考えてみます。
歯ブラシの交換時期について聞いたアンケートがあります。一番多いのは1カ月程度で4割弱、次が2カ月程度で2割強、3カ月を超える方も1割以上いらっしゃるし、逆に1カ月使わずに交換されるという方もいらっしゃいます。バラツキはあるものの、1カ月の方が一番多いのですが、これは妥当な交換時期なのでしょうか。
歯ブラシは長く使っていると毛先が広がり、毛の弾力性が失われてきます。毛先が広がることで、歯に的確に当たりにくくなり、汚れを落とす効果が弱まります。新品の歯ブラシに比べて汚れを落とす力が4割近く減ってしまうという調査結果もあります。
また、弾力性が失われた歯ブラシだと、歯や歯茎につい強く押し付けがちになります。そのようにゴシゴシやってしまっては、歯や歯茎を傷つける恐れがあります。
加えて歯ブラシは古いものほど雑菌も繁殖しやすくなります。清潔に乾燥させて保管すれば繁殖を最小限に保てるかもしれませんが、あまり古い歯ブラシはお奨めできません。

歯ブラシの交換の目安については、まずは毛先の開き具合をチェックします。歯ブラシを背の方から見て、毛先がはみ出しているようなら、交換時期だといえるでしょう。毛先が開くと毛の弾力性も落ちてきます。
別の目安としては歯ブラシの使用期間を決めておくのはどうでしょうか。歯ブラシメーカーや歯科医師の多くが、先ほどのアンケートの1位と同じ「1カ月程度」を推奨しています。1日3回磨く場合で、1カ月程度で歯ブラシの毛は寿命を迎えるそうです。「月が変わったら交換する」など自分でルールを決めておくとよいかもしれません。

アンケートの結果で、「1カ月程度」と答えた人が多くなったのは、歯の健康への意識の高まりかと思います。この割合がもっと増えていくよう広めていく活動が、今後とも重要です。