歯痛の種類


 皆さんも、歯が痛くなったときには歯科医院に行かれると思います。 歯の痛みは辛いもので、いっときも早く解消してほしいと思われているでしょう。 そのとき歯科医にご自分の歯の痛みの状態を的確に説明できれば、多少は速やかに適切な治療に移れると思います。

歯痛の種類 一般的な歯の痛みの原因は大きく二つあります。「歯」が原因で痛い場合と「歯ぐき」が原因で痛い場合です。
症状としては、歯が原因の場合、鋭い刺すような痛み(鋭痛)が多く、一方歯ぐきが原因の場合は、鈍痛と呼ばれるにぶく重苦しい感じの痛みが多くなります。

歯が痛みの原因という場合では、虫歯から生じて、歯髄炎と呼ばれる症状にいたるケースがあります。 最初は、冷たいもの、熱いものがしみる程度ですが、進行すると噛むと痛い、食べ物が詰まると痛い、という痛みが加わり、ひどくなると疼いて夜も眠れない状態になります。
また、根尖性歯周組織炎といって、細菌が歯根の先端部分(根尖)まで達し、根の先を化膿させる場合も、歯が原因の痛みです。 この場合は鈍痛で、歯が浮いた感じで、噛むと痛い、歯を押さえると痛いといった症状からはじまり、次第になにもしなくても痛い状態となり、ひどい場合には、高熱が出たり、頬が腫れ上がったりします。

歯ぐきが原因の場合の代表は、いわゆる歯周病です。 歯がぐらつき、浮いたような感じがして、噛むと痛い、歯肉も腫れて押さえると痛い、熱が出ることがあるなど、痛みの種類は前述の根尖性歯周組織炎に似ています。
また、体のほかの部位の打ち身などと同じく、強く打ちつけるなどの原因で、細菌性ではない炎症を起こす「単純性歯根膜炎」も歯ぐきが原因の痛みです。 なにかの拍子で強く噛みすぎてしまっで歯ぐきが炎症を起こす場合に加えて、「はぎしり」や「喰いしばり」、片側噛みの習慣化が原因で起こることもあります。 歯周病とも密接に関連していて、歯周病の影響で、歯ぐきの骨が破壊されていると、少しの力でも炎症を起こしてしまうことがあります。 これらの噛む力によって起こる歯ぐきの打撲を総称して、「咬合性外傷」といいます。

このように原因によって痛みの種類は変わってくるので、痛みの具合を歯科医に的確に伝えることは診断の際、大いに参考となります。 痛みがひどくなると鋭痛も鈍痛も区別がつかなくなるので、早めの受診が大切ですし、定期健診等で痛くなる前に治療できれば、それに越したことはありません。