歯周病と食事

むし歯になりにくい食事」と聞くと、「甘いものを取りすぎない」「だらだら食べや間食を止めて、お口のなかが酸性である時間をできるだけ短くする」などなど、その対策を思いつく方も多いと思います。
 歯の二大疾患であるもう一方の「歯周病」について、その予防と言って連想されるのは、「毎日の正しいブラッシング」「歯科による定期健診・クリーニング」などが挙げられると思います。
しかし、その食事…「何を食べたら歯周病にいいの?」という質問に答えるのはなかなか難しいかもしれません。今回は歯周病と食事について考えてみます。
 歯周病は、読んで字のごとく、歯肉や歯槽骨といった歯の周りの歯周組織が炎症を起こす疾患です。
しかも時間をかけて進行し、かなり進行するまで痛みもなく、そうなってからでは遅いので、予防に重点が置かれています。
先にも書いた「毎日の正しいブラッシング」「歯科による定期健診・クリーニング」などに加えて、食べることにも気を付けて予防効果を高めることができます。

 まずは、お口のなかの歯周病菌を減らすことを考えた食事です。そのためには、よく噛んで、唾液をたくさん出し、お口の浄化作用・殺菌作用を高める食品がおすすめです。
しかし、よく噛むのが大切と分かって意識してても、実際はおしゃべりやテレビ、他のことに気を取られたり、忙しくてゆっくり食事の時間が取れなかったりで、なかなかできないことも多いと思います。
そんな時は、調理方法の工夫が効果的です。野菜を少し大きめにカットしたり、固めにゆでたりするなど試してみてはいかがでしょうか。食物繊維の多い野菜をメニューに取り込むとより良いでしょう。

 もう一つは歯周組織を強くする食事です。歯周組織はコラーゲンでできているため、先ほどの食物繊維の多い食べ物に加え、コラーゲン生成に必須であるタンパク質、ビタミンC、鉄を摂取することで、骨や歯茎を健康な状態に保ちましょう。
 またビタミンCには抗酸化作用もありますが、ほかにもビタミンEやカロテンなども抗酸化作用が期待できるので、それらを含む野菜や果物を摂るようこころがけましょう。

「毎日の正しいブラッシング」と「歯周病予防も意識した食事」の二本立てで、いつまでも健康な歯と歯茎を保ちましょう。