オールオン4治療のトラブルについて
オールオン4治療は、歯を失った患者さんに対して、わずか4〜6本のインプラントを使用して固定式の歯を装着する革新的な治療法です。しかし、その利点が多くある一方で、トラブルが発生する可能性もあります。本記事では、オールオン4治療で起こりうるトラブルについて詳しく解説していきます。
1. インプラントの脱落や緩み
オールオン4治療では、4本のインプラントに大きな咬合力がかかります。そのため、インプラントが脱落したり緩んだりするリスクがあります。特に、喫煙や歯周病、骨粗鬆症などの全身疾患がある場合、インプラントの定着が悪くなる可能性が高くなります。定期的なメンテナンスと口腔衛生管理が重要です。
2. 上部構造物の破損
オールオン4治療で使用される上部構造物は、通常、ジルコニアやアクリルレジンなどの材料で作られています。これらの材料は強度が高いですが、過度の力がかかると破損する可能性があります。また、経年劣化により、上部構造物にひび割れや欠けが生じることもあります。定期的なチェックと必要に応じた修理・交換が必要です。
3. 神経障害
オールオン4治療では、下顎骨の神経に近い位置にインプラントを埋入することがあります。手術中に神経を傷つけてしまうと、術後に唇やオトガイのしびれや痛みが生じる可能性があります。熟練した医師による適切な手術計画と慎重な手技が求められます。
4. 感染症
インプラント周囲炎は、インプラント周囲の歯肉に炎症が生じる感染症です。オールオン4治療でも、インプラント周囲炎が発生する可能性があります。リスク因子としては、不十分な口腔衛生管理、喫煙、糖尿病などが挙げられます。感染が進行すると、インプラントを抜去しなければならない場合もあります。適切な口腔ケアと定期的な歯科検診が予防には不可欠です。
5. 審美的な問題
オールオン4治療では、天然歯に近い見た目の歯を再現することを目指しますが、審美的な問題が生じる場合もあります。歯肉の退縮によってインプラントが露出したり、上部構造物の色調が周囲の歯と合わなかったりすると、見た目に違和感が生じます。患者さんの要望をしっかりと聞き、治療計画を立てることが大切です。
6. 発音の問題
オールオン4治療で装着した上部構造物が厚すぎたり、形態が適切でなかったりすると、発音に影響を与える可能性があります。特に、舌の動きが制限されると、「さ行」や「た行」の発音が不明瞭になることがあります。発音の問題は、上部構造物の調整により改善できる場合があります。
7. 咬合の問題
オールオン4治療では、上下の歯の咬合関係を適切に設定することが重要です。咬合が高すぎたり、偏ったりすると、インプラントや上部構造物に過剰な力がかかり、トラブルが発生しやすくなります。また、顎関節症状が出現する可能性もあります。治療後は、定期的な咬合チェックが必要です。
8. メンテナンスの困難さ
オールオン4治療で装着した上部構造物は、天然歯と比べてメンテナンスが難しい場合があります。歯ブラシが届きにくい部分があったり、歯間ブラシの使用が困難だったりすると、プラークコントロールが不十分になりがちです。定期的な歯科医院でのクリーニングと、自宅でのセルフケアの徹底が求められます。
以上、オールオン4治療で起こりうるトラブルについて解説しました。オールオン4治療は、多くの患者さんにとって有効な治療法ですが、リスクを理解した上で治療に臨むことが大切です。治療前には、医師とよく相談し、自分に合った治療法を選択しましょう。また、治療後は、定期的なメンテナンスを欠かさず、トラブルの早期発見・早期対処に努めることが重要です。
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